現場職員へのハラスメント対策~国は立法化を~

平成30年8月20日(月)、22時よりBS日テレの「深層ニュース」という
1時間の番組にゲスト出演することになりました。
テーマは「現場職員に対するハラスメントと利用者に対する虐待」です。

ハラスメントと虐待の問題は、実は全く無関係な現象ではなく、「負の連鎖」として目に見えない繋がりがあるのではないかと思います。

実際のパターンはさまざまですが、全体を俯瞰すると「ハラスメントを受けた仕返しに虐待する」という、大きな構造があるのではないでしょうか。

この問題の難しいところは、利用者当人による「ハラスメント」はある程度やむを得ない場合がある、という点です。

認知症のいわゆるBPSD等による現象として暴行・暴言がなされるのであれば、原則として法的責任を問えず、また申し入れにより止めてもらうことも期待できません。

しかし一方で、これまでのように「職員の技量・能力が足りない」で片付けていては、現場職員がいなくなってしまいます。認知症利用者によるハラスメントを、利用者および介護職、双方の人権保障のバランス的観点から解決していかなければなりません。

また家族によるハラスメントの場合も、本人がストレスで参っており、対応を間違えると今度は身内である利用者への家庭内虐待に走ってしまう、という難しい場合もあります。法に基づく強い警告よりも、むしろ悩み相談やカウンセリング、レスパイト等が必要なときもあることでしょう。

このように多種多様な困難ケースを、地域ケア会議のように行政が主導し社会福祉士、精神保健福祉士、カウンセラー、弁護士などを擁する多職種連携で協議検討する専門部署を、各自治体の介護保険課に設置するのが良いのでは、と考えました。

法整備の観点では、高齢者虐待防止法が存在し、行政の指導も以前より強化されてはいますが、一方で現場職員の保護については手つかずです。
そこでハラスメントに関し、オリジナルの法案のたたき台をつくってみました(画像をクリックすると拡大表示されます)。

 

この法案は、先の専門部署の設置を主目的としますが、最終的に以下の図にあるような関係構築を目指しています。
>> ケアワーカーハラスメント図2
これまでは利用者・家族と介護現場職員・事業所という関係だけで終始していましたが、事業所側としては利用契約書を整備しようと、最終的には「お客様とサービス提供者」の力関係にあるため、抗議することは現実には難しい状況にあります。

介護保険制度は国と自治体の運営する公的な事業ですから、現場職員を不当なハラスメントから守るのも最終的には国・自治体の責任です。そのような観点から、国はまずケアワーカーへのハラスメントをしないよう国民全体に呼びかけ、各自治体はハラスメント対策室を設置します。
そして、何か当事者間で解決できないハラスメント問題が持ち上がったときは、その原因分析や今後取るべき対策を皆で協議検討し、利用者側との話し合いや、場合によっては注意指導をするという役割を担います。

どこまで徹底するかという問題はありますが、少なくともこのような啓発活動や、いざというときの駆け込み寺的機関を行政側で用意することで、現場職員の安心感もがらりと変わってくるのではないでしょうか。
現状は各事業所の「自助努力」に全て委ねられていますが、それが限界に差し掛かってきており、その結果として現場職員の圧倒的不足に繋がっているのではないかと思います。

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