運営指導に関する行政側の対応と現状|実際の当事務所へのご相談事例

運営指導における実態

業界では「泣く子も黙る」と恐れられる運営指導・監査ですが、役所の担当者も人の子であり、指導内容に誤りがあり、或いは指導方法が不当であるということも当然あり得るところです。現に当事務所にはおかしな指導に疑問を持つ相談がこれまで数多く寄せられてきました。中には、当事務所において現在訴訟の場で保険者による指導内容の是非を争っているケースもあります。この記事では、当事務所に実際にあった事業所様からのご相談内容を踏まえて、運営指導における行政側の対応と現状をお伝えいたします。

 

ケース①莫大な金額の返還報酬

概要

ある居宅介護支援事業所の代表者は、些細な記載漏れを理由として運営基準減算を宣告され、数千万にのぼる介護報酬返還を命じられました。会社を潰すしかないと途方に暮れ、その場合一体どのように返していけばいいのかと尋ねたところ、担当者からは「家を売ってでも返してもらう」と冷酷に言い放たれたそうです。代表は一時自殺を考えるまで追い詰められましたが、当事務所のホームページを見て大阪から相談メールを送って下さいました。

当事務所としての回答・対応

事業所の代理人として市長宛てに次の手紙を送りました。

 

「添付は依頼者代表の作成した時系列記録ですが、本件に関わった指導監査課および高齢介護室の各担当者が、依頼者からの質問に正面から答えず、都合の悪いことは無視し、終始威圧的な態度を取り、社会通念上考えがたい失礼な言動を重ねていたことを示すものです。

特に令和○年○月○日、高齢介護室の○○氏による「家を売り払ってでも、役員の個人の財産などから返してもらうことになる」なる発言は、法的根拠のない脅しに等しいものですが、依頼者代表はこれを真に受け一時自殺を真剣に検討していました。代表をはじめとする依頼者関係者の精神的疲弊は看過できないものであり、このような不当な指導態度を改める様、貴職においてご指導頂くことを強く懇請致します。

介護保険制度下において通常保険者や指定権者の発言、指導は事業者にとって絶対であり、いつでも指定取消によりその社会的生命を奪うことができる行政の前では、一民間事業者の存在など無に等しいものです。

圧倒的な力関係の差がある中で、指導する側に求められる姿勢は第一にその権限の強大さに自覚的かつ謙抑的であること、そして新型コロナ禍においても地域の最前線において在宅高齢者らを懸命にサポートし、地域包括ケアシステムを体現しようとする事業者をより良い方向に導くという教育的観点、言い換えれば慈愛の精神であることは貴職におかれましてもご同意頂けることと存じます。

特に依頼者は、株式会社という民間事業者でありながら重度の障害者の受け入れも厭わず、模範的な老舗事業所として広域の在宅ケアを支えてきたことは貴職もご承知のことと存じます。そのような功労者に対し、不当な文言解釈により基準違反と論い、5000万近くもの返還を事実上命じるが如きは到底公僕としてのあるべき姿とはいえないものです。

もし貴職において、本件における担当者らの振る舞いにつき、貴市の掲げておられる理念に照らし一点も恥ずべき点が無いということであれば、正式に人事室その他関連機関への苦情申立を行い、それでも尚改善がみられない場合はやむを得ず一連の言動を根拠とする慰謝料請求訴訟を貴市に対し提起する考えでおります。

今後も依頼者のような被害者を出さないよう、この点についてはくれぐれも看過されることの無きようお願い申し上げます。」

これに対し市側からは、「そのような事実は調査によっても確認できなかったが、もし事実であるとすれば問題なので、以後そのようなことが無いよう指導していく」との返答がありました。

 

ケース②行政側の横暴な立振る舞い

概要

ある法人は一階をデイサービスとするサ高住を始める計画を立て、県からデイの指定を受けたものの、保険者である村の介護保険課から理由もなく開業を妨害されて困っている、と相談に来られました。担当課課長とのやり取りの録音は、「そういう風なことを言うんだったら、俺ら話に乗らねえぞ。」「なにがおかしいんだ、ケンカするんならしろ。」といった、耳を疑うような暴言、恫喝のオンパレードでした。

当事務所としての対応

私は代表と共にその者のいる役場に乗り込み、村長に録音の一部始終をテープ起こししたものを渡し、担当者の厳正な処罰を求めました。

このような役所の横暴な振る舞いを、涙ながらに訴える事業所の方々のやるせない、憔悴しきった表情は、今でも忘れることはできません。

 

勿論、役所の職員の皆がみな、このような横柄な態度ということは無いでしょう。市民全体の奉仕者として、正義と公共の利益の実現という法令の示す理念を適切に反映させるべく愛情と矜持をもって指導にあたられる立派な方の方が大多数であるはずです。

 

このような状況下での運用方針の変化

こういった状況を考慮してか、令和元年5月29日付老健局総務課介護保険指導室長通知(老指発0529第1号)別紙「運営指導の標準化・効率化等の運用指針」には、留意事項として「高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導やより良いケア等を促す助言等について、事業者との共通認識が得られるよう留意すること。」と記載されたのでしょう。なおこのことは、法の執行者たる行政の構成員として本来できて当たり前のレベルといえますが、介護保険制度の総本山である厚労省がこのように注意を促したことは評価できるものと思います。指定取り消しという最悪の事態に怯える事業所にとっては、ただでさえ役所の担当者は恐ろしく映るものですから、行政の皆様には運営指導の段階であれば尚更、努めて優しく接して頂くことを願います。

 

ところが実際には、「担当者に疑問を投げかけても答えてくれない。あなたが考える必要はないと言われた」といった苦情が当事務所には寄せられています。

また「ものは言いよう」の言葉通り、「法令の要件を満たさないあなたが悪い」と一方的に断罪するようでは、日々ご利用者の幸せのために心血を注いできた現場職員や事業所全体に対する敬意というものが欠けていると思うのです。制度ビジネスである以上、法令遵守は絶対ですから、違反があれば潔くそれに応じたペナルティにも服すべきことは当然ですが、あまりに四角四面に法の文言を適用し、現場の思いに寄り添おうとしない冷酷な指導が多すぎるように思います。

 

当事務所の追求する理念は「正直で誠実な人を守る」ということですから、このような行政側の不当な指導、態度に対しては断固として戦っていく所存です。

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