BCP策定に向けて実施すべきこと

「大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、

重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画」として介護事業所に求められているBCP策定。

 

本記事では、介護事業所様のなかでも“ケアマネージャー”に特化して意識いただきたいポイントについて整理いたします。

 

ケアマネージャーが意識すべきポイント

ケアマネージャーがBCP策定の準備を進めていくうえで最も重要になるのは

「個別業務や稼働を中止する条件を決め、慎重に判断すること」「個別避難計画書を作成し、他事業所と連携しご利用者の安全を確保すること」です。

上記を実現するために必要な対応・ポイントについて解説します。

 

① 個別業務や稼働を中止する条件を決め、慎重に判断すること

コロナに関しては、BCPを検討・発動するまでもなく、既に日々何かしらの判断や対応を余儀なくされていることと思います。例えば「担当するご利用者の同居家族が陽性となった。明日モニタリングを予定していたが延期するか否か」等。正解はありませんが、もしこのご家族がご利用者と濃厚接触している可能性が高いようであれば訪問は見送ることが無難といえます。

そのようなケースを網羅的に検討することは不可能ですが、正直、在宅のケアマネや訪問系事業所が感染対策のBCPを作り込むことはあまり効果がないものと見ています。最低限、施設のように、例えば3名の事業所であれば「3名全員が陽性となり活動できなくなったときどうするか?」といった限界事例を決め、多事業所への引き継ぎやリモートワークの導入等を検討しておけば足りるでしょう。

それよりもコロナ関連でケアマネに託された重要業務は、日々発生するヘルパーやデイでの感染発生の知らせを受け、いかに代替する事業所を探し切れ目のないサービスを継続していくかという点です。日頃から特定の事業所に偏ることなく、広く多様な事業所とよい関係を構築するよう心がけることが、リスクマネジメントに繋がります。

 

② 個別避難計画書を作成し、他事業所と連携しご利用者の安全を確保すること

令和3年5月の災害対策基本法の改正により、市町村に避難行動要支援者ごとに避難計画の作成が努力義務化されるなどの規定が創設されました。

日本介護支援専門員協会宛に発出された、令和3年7月6日付「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針等を踏まえた業務継続に向けた取組等のさらなる推進について」(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(避難生活担当)・厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課)によれば、表現は婉曲的であるものの、要するに在宅ケアマネージャーに対し、この個別避難計画の作成業務への協力を求めており、それがすなわち居宅としてのBCPに相当するという見解を取っているようです。

さて、ここが冒頭で述べた違和感が最大化するポイントです。BCPは本来ビジネス的発想によるものであり、誤解を恐れずいえば、本来ご利用者の命よりもビジネスの継続・復旧を第一とするような性質のものでした。勿論、これまで述べてきたとおり筆者としては結局全ての介護・福祉事業所としてなすべきことは唯一つ、目の前のご利用者を守ることしかないという考えでおりますが、施設やデイであればその取組がそのまま事業=施設等の運営のための取組になっているため違和感がそれほど無いのです。

ところがケアマネはどうでしょうか。担当ご利用者それぞれについて避難計画を作る、これがケアマネに課された新たな使命だということであれば、大半のケアマネージャーは(不満はありつつも)従うことでしょう。というよりはいちいち国に指図されずとも既にやっているケアマネも沢山おり、東日本大震災や熊本地震等では実際に地域に根ざしたケアマネを始めとする多くの福祉職が人知れず活躍し、多くの高齢者の命と生活を守ったのです。これは勿論誰かに言われたからやるのではなく、一人でも多くの高齢者を助けたいという、正に互助の精神の発露によるものといえます。

そのような、正に介護福祉職の真髄ともいうべき崇高な活動を、なんだかよく分からないBCPという言葉、概念に取り込もうという考えにそもそも無理があるように思えてなりません。

話が脱線しましたが、言いたいことは要するに在宅における災害BCPはその第一目的がご利用者の避難と生命保護にあるのだとしたら、それはケアマネを中心とする多職種・多事業所連携によってしか成し遂げられず、結局普段のサービス担当者会議や地域ケア会議に災害対策という項目を組み込むことで足りるのではないかということです。「BCPは各法人、事業所単位で作るもの。よそのことは考慮しない。」ビジネスの世界なのだから当然です。しかし介護の世界、特に在宅では事業所の枠を超え連携しなければ何も始まらないのです。

と、このように不満だけ述べても始まらないので、ケアマネの災害BCPについて解説しますと、前傾のケアマネ協会向け通知によれば担当利用者の個別避難計画の策定に協力することがメインであるといえるところ、まずは担当ご利用者一人ひとりについて、例えば大地震が起きたときに誰が一番危険な状況となるかを検討しリスト化すると良いでしょう。「Aさんは山沿いの家に一人暮らしだから、土砂崩れで家がうまる可能性がある」ということであれば、平時から引っ越しを提案することや、家が埋まったときに誰がいつ救助に行けるかを検討します。

これは全事業所についていえることですが、勿論の話ですがまずケアマネージャー自身の身の安全を確保しなければなりません。悩ましいのは自分の家族が被災したとき、ご利用者とどちらを優先するかといった問題ですが、倫理的な問題も含まれるため一度は全メンバーで深堀りして話し合っておきたいところです。筆者個人としては、福祉といっても限界はあるのであり、究極的な場面においてはご利用者よりも大切なご自身の家族を優先しても許されるのではないかと考えます。

 

BCP策定にお困りの方は介護業に精通した弁護士にご相談ください

上記のように、BCP策定の対応に向けてはポイントを抑えたうえで的確な対応が必要になります。現状全貌が明らかになっていない部分が多い分野でもありますので、実践的なBCPを策定するために当事務所にてサポートが可能です。先の見えづらい不透明な世界ですので、介護トラブル専門家のアドバイスを是非ご活用ください。

 

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