今さら聞けない?「弁護士」に関する疑問20選

今さら聞けない?「弁護士」に関する疑問20選

「すみません、弁護士にこんなことを聞くのは恐縮なのですが…」

このような切り出しで顧問先の経営者、ご担当者の方やご相談者の方から話が始まることがあります。大抵の場合は、その中身は質問なのですが、申し訳無さそうに質問されることがよくあります。

当事務所としては、顧問先の方は相談者の方、或いは弁護士選びをしている方からのご質問にはしっかりお答えしようという考えでおりますが、やはり弁護士というのが堅物で恐いイメージがあるのか、幾らか緊張されている方もいらっしゃるようです。テレビドラマでよく主人公の職業として弁護士が登場しますが、極端に堅物に描かれていたり、やり手の悪党やとてもフランクな私服で茶髪の恰好をしていたり、様々なキャラクターで演じられています。さらに、普段生活する中では、同じ士業である医師に接することはあっても、弁護士に接することは無い方がほとんどでしょう。職業や資格としては有名ですが、弁護士のやっている仕事、依頼できることは正しく知られていないかもしれません。医師の仕事、相談できることは誰もが知っているのに、弁護士の仕事、相談できることはあやふやな方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、当事務所へよく寄せられる弁護士および顧問弁護士に関する質問をご紹介し、それぞれに対して回答していきたいと思います。

本コラムをお読みになり、少しでも当事務所に関してご理解いただければ大変嬉しく思います。なお、本コラムで挙げる内容に関しては、あくまで当事務所での回答ですので、予めご了承ください。

 

目次

【疑問①】相談の時点では、何か準備しておくべきものはありますか?

これはご相談をいただいた時に「何かこちらで準備するべきものはありますか?」とご質問をいただきます。

まず、弁護士としては事実の真偽を見極める必要があります。そのためにご相談の時点では、主に相手方や行政が発した書面やメールを中心にこれまで取得したものを持参頂くと分析しやすいです。ご相談者自身が発行した書面や送信したメールも大事ですが、何より相手側が出したものが争点を把握するのにより役立つことが多いのです。

その他、登場人物が多いときは手書きで良いので人物関係図と、時系列等もあると助かります。わかれば大丈夫なので、特に美しく作る必要は無く手書きの簡単な箇条書きで構いません

 

【疑問②】弁護士が相談を断るときはありますか?それはどういう場合ですか?

頼って頂けるのは嬉しいですが、残念ながらお断りする場合もあります。それは、虐待や背任行為などの明らかな違法行為をしているのに、隠ぺいしたいというご相談やご依頼の場合です。違法行為を助長することはできないため、お断りしています。

 

【疑問③】弁護士に依頼するとした場合、費用はどのように設定されるのでしょうか?相場がありますか?

弁護士がご依頼者のために活動した対価として頂戴する費用は弁護士報酬と呼ばれています。2004年4月以降、この報酬は自由化されていますが、大半の事務所は以前の一律規程であった旧日弁連の報酬基準に準拠しています。

ただ、旧規程だと着手金の計算方法がフェアではないのではないかと思います。例えば示談交渉や裁判の場合、相手方に対する請求額(被告の場合は請求される額)に%をかけた数字が着手金とされています。そうなると、例えば回収可能性の低い案件で1億円請求するという事案であれば数百万円になってしまったり、逆に1億吹っ掛けられたようなときは被告として守るだけでそれだけの費用が発生してしまいます(そして、多くの人が誤解していることですが、こちらで雇った弁護士費用は相手方に請求はできません!)。

このように弁護士費用が、事件の難易度やかかる時間等に関係なく算定されることになります。難しい事件でも簡単な事件でも、請求額が同じなら弁護士にとっては簡単で「おいしい」事件を選り好みしたり、請求時に着手金を引き上げるため「もっと高額を請求しましょう」等と相談者に勧める…といったことになりかねません。そうなりますと顧客にとってフェアではないと当事務所では考えており、ほぼ定額の着手金(事案の難易度等により若干変動します)とタイムチャージと同様のシステム(出張費時の日当等)の組み合わせとしています。

 

●旧日弁連の報酬基準

https://senbayashi-lf.com/cms/wp-content/uploads/2019/02/pdf001.pdf

 

【疑問④】弁護士に依頼すると、どういう段取りで進めていくのでしょうか?依頼人はどの程度の協力をしなければいけないのでしょうか?

相手の居る示談交渉、まして裁判など未経験の方が殆どでしょうから、いざトラブルに遭遇したときどれだけの時間的・労力的負担を背負うことになるか、ご不安も大きいかと思います。この質問も多く寄せられます。

これに関しましては、事実を全て知っているのはやはりご依頼者なので、ご協力頂くことが多い場合もあります。ご協力いただく度合いは事案によって変わりますので一概に言えませんが、例えば裁判の主張書面を書くときなどに、相手の主張を読み端的に感じたこと、気づいたこと、事実に反すること等を教えて頂けるとそれを軸に法律構成にブラッシュアップさせやすいということがあります。

これは手間かもしれませんが、この辺は弁護士により仕事の進め方が異なるところです。中には、依頼者に確認等取らず基本的に独断で進めようとする弁護士もいます。そうなると自分の意見は正確に反映されているのか、こちらに有利な展開を望めるのか等について不安が出てくるかもしれませんので、任せきりが良いとも言えません。一方で、自分で何も考えず依頼者任せの弁護士では依頼した意味がありません。この辺りの塩梅は一長一短あります。

実際に依頼してみるまで分からない部分かもしれませんが、依頼者本人が心配性であったり、言いたいことが沢山あるという方は、自分の文章や意見を十分考慮し反映してくれる弁護士を選ばれると良いでしょう(完全に鵜呑みにする弁護士も、それはそれで困りものですが…ポイントを押さえ、できないことや不利になること、余計な事は端的に指摘してくれる弁護士が理想と思います)。

一方で、裁判所に都度出頭したり、やり取りをする必要は無く、裁判を委任すればその手続きは弁護士に全て任せることになります。ご依頼者が自ら裁判所とやり取りしたり、期日に出頭する必要はありません。

 

【疑問⑤】弁護士に依頼すると、その後はどのように進んでいきますか?裁判などになると時間がかかるのでしょうか?

訴訟を起こされたり、トラブルに巻き込まれる経験がある人はそう多くないですので、相談後にどのように進み、どれくらい時間を要するのかをご存知の方は多くないでしょう。

民事であれば大別して民事訴訟、その手前の示談交渉や調停の代理を依頼するという二段階のフェーズがあります。

交渉は相手次第ですが1か月~半年程度、民事訴訟は地裁の段階で1年前後はかかるというイメージです。もちろん事案によりますが、1年より短くなる場合もあれば長くなる場合もあります。詳しくは過去のコラムをご覧ください。

介護現場で事故が発生した場合の示談交渉の進め方

 

【疑問⑥】初回の相談料は決まっていますか?相場はありますか?

弁護士報酬と同じく、これも自由化されております。債務整理や交通事故など、案件処理に特化した事務所は相談料も0円ということもありますが、一般的には30分あたり5000円(税別)が相場とされています。

市役所等で無料相談会を実施していることもありますが、これは相談をしても何故かその後相談した弁護士に委任することはできないというルールがあり、注意が必要です。

 

【疑問⑦】弁護士に依頼したけど、途中でほかの弁護士に替えることもできるのですか?ルールはありますか?

可能です。弁護士に依頼したけれど、これまでの過程で感じる不信感、相性の悪さ、考え方の違いなどから、弁護士を変更することはしばしば見られるパターンです。実際に当事務所にも、「既に介護事故の訴訟を依頼しているが納得いかないので変更したい」という依頼や、セカンドオピニオンを求めるご相談があります。

変更する場合によく「弁護士を変更すると言いづらい」とか「弁護士を変更する理由を聞かれたら気まずい」ということを耳にしますが、これは心配する必要はありません。特に理由を述べることなく「法人として、総合的に判断して弁護士を変更することにします。つきましては、〇〇日で契約を打ち切りたいです」と伝えれば問題はありません。仮に理由をしつこく聞かれても「法人としての判断で、これ以上はお伝えすることはありません」と伝えるだけで構いません。依頼人にとってトラブル対応は事業を行う上で重要な局面になります。ともに闘う弁護士選びに遠慮も妥協もする必要は無いと考えております。

 

【疑問⑧】弁護士に依頼した場合、依頼人は弁護士から定期的に進捗報告や状況報告をしてもらえるのでしょうか?

報告は重要であり、弁護士としての善管注意義務を果たすためにも小まめに行います。最低限訴訟期日ごとには報告をしなければならず、その前後でも報告、連絡、確認をする弁護士が良い弁護士といえるでしょう。

「全てお任せ」というスタンスの弁護士は、裏返せばワンマンで進めてしまうという問題があり、依頼人の希望や意見が反映されない危険性が高まります。この辺りに関しては、違和感を覚えた時点で早めに弁護士に申し入れをすると良いでしょう。もし改善が見られない場合は、今後の動きを考えて判断されると良いのではないでしょうか。

 

【疑問⑨】ちなみに弁護士報酬は一括払いなのでしょうか?

着手金等の分割支払いも可能ですが、当事務所では基本的にお引き受けしておらず、ご相談頂くことになります。

 

【疑問⑩】弁護士法人おかげさまの所在地とは遠いところから依頼した場合、弁護士が打ち合わせや裁判所に向かう際の交通費は依頼人負担となるのでしょうか?

当事務所の場合は、移動する場合出張費及び交通費の実費分が発生し、依頼人負担でお願いしております。遠方になるとその点がややネックとなるかもしれませんが、最近の裁判はオンライン実施が多く、現地に行かずに済むことも増えてきました。まずはご相談いただき、オンラインを使って乗り切れそうであればその旨もお伝えします。

 

【疑問⑪】弁護士法人おかげさまと顧問弁護士契約をした場合、例えば事業所で夜間に転倒事故が発生して、運び込まれた病院でご家族から執拗に責められトラブルが発生した時など、夜間でも顧問弁護士に連絡をしても良いものなのでしょうか?

はい、大丈夫です。ただし、状況によっては応答できないこともありますが、当事務所の顧問先であれば基本的にいつご連絡頂いても問題ございません。

はい、大丈夫です。状況によっては応答できないこともありますが、当事務所の顧問先様であれば、緊急事態でしたら基本的にいつご連絡頂いても問題ございません。特に介護・障害施設は24時間365日稼働しているので、夜間や連休中に事件が起きることも多いのですが、都度対応しております。

 

【疑問⑫】弁護士に急に電話をするのは申し訳ない気がしますが、トラブル発生時にすぐ電話で相談しても大丈夫なのですか?

当事務所の顧問先様であれば、トラブル発生時でもトラブルが予見できた場合でも、いつでもお電話いただいて構いません。ただし、セミナーの講義中など状況によっては応答できないこともありますので、その点はご了承ください。

出来るだけ早く的確に対応したいと思っており、また未然に防げる段階でしたら、すぐに処置した方が良い場合もあります。もちろんメールやチャットワーク、ズーム等のご連絡でも問題ございませんので、状況に合わせてご連絡手段はご選択ください。

 

【疑問⑬】顧問弁護士契約を維持したまま、別の弁護士にスポットで案件を相談するのは大丈夫ですか?

はい、可能です。稀にですが、当事務所の専門外の分野で他の専門事務所に案件を依頼される顧問先様もおられます。しかし、顧問弁護士として顧問先様のリスク状況を把握する必要があり、できるだけ状況を教えて頂けることが望ましいと考えています。

 

【疑問⑭】職員の横領や経営層の背任など、いわゆる知能犯罪についても対応していただけるものなのでしょうか?

はい、可能です。当事務所は介護福祉分野に特化しているので、介護現場で発生する虐待や身体拘束、カスハラ、労働問題などのトラブルが得意と思われているかもしれませんが、実際には横領や背任などの事案も対応しております。特定分野に絞った対応ではなく、介護福祉事業所で発生するトラブル全般に対応します。

 

【疑問⑮】たとえ依頼人に明らかに非があっても味方してくれるのでしょうか?

これはなかなか悩ましいところですが、基本的にどちらが100%悪いということは無いといえ、よほど違法性が高いといった事情が無い限りはご相談者の味方として対応致します。

しかし、例えば明らかな虐待事件が起きたような場合、行政への報告を勧告するといった、依頼者のためを考えてコンプライアンスに沿ったアドバイスをさせて頂くことはあります。

 

【疑問⑯】法人として顧問弁護士契約をした場合、相談できるのは経営者や施設責任者が代表窓口として相談するのが良いのでしょうか?

当事務所としては現場の方でもどなたでも対応できます。一般職員の方からのご相談でも問題ないのですが、ご依頼者の方で「組織として相談内容等を把握したい」というニーズがあり、そのため「本部を一度通し、本部を窓口として相談をする」というシステムをとられるところが多い印象です。

法人ごとに考え方が異なるので、これに関しては各法人様の意向次第です。

 

【疑問⑰】顧問弁護士契約を検討していますが、合い見積もりを取っても大丈夫でしょうか?

はい、問題ございません。弁護士によって費用もサポート内容も異なりますので、よくご検討いただければと思います。

 

【疑問⑱】顧問弁護士契約をすれば、ご利用者やそのご家族、行政とのトラブル発生時に弁護士が代わりに説明や対応してくれるのでしょうか?

可能です。ただ、弁護士が代理人として委任活動をする場合は別途費用が発生します。ご要望が発生した時点でその都度事前にお見積りをお出し致します。

 

【疑問⑲】弁護士資格は超難関資格と言われますが、弁護士は法律を全て理解し、記憶しているのでしょうか?

いいえ、そのようなことはありません。事件ごとに新たな法令に出くわすこともしばしばあります。時代に合わせて新しい法律が出来たり、改変される法律もありますので、IT業界のように、私たち弁護士は常に情報をアップデートする必要があります。

 

【疑問⑳】裁判で依頼人の出頭が必要となった場合、事前に何を、どう回答すると良いかを指南してくれるのでしょうか?

はい、当事務所では、証人尋問前に出頭する方とリハーサルを行い、その中で回答内容を逐一チェックしアドバイスするという段取りを取り入れています。そもそも証人尋問に慣れている方はそうそういませんし、裁判所に出頭すると緊張して答えられないという場合もあり得るため、しっかりとリハーサルをおこないつつ、尋問当日の様子などを予めお伝えしてイメージトレーニングできようにサポートします。

 

当事務所は介護福祉に特化した弁護士法人です

本コラムで弁護士のこと、顧問弁護士のことについて、少しでもご理解いただければ幸いです。

上記の20個の質問以外にも知りたいことがございましたら、当事務所までご質問ください。

弁護士も人間ですので、やはり相性や接した時の感じることも大切にしていただければと思っております。特にトラブル対応、訴訟対応となると依頼人と弁護士の二人三脚になりますし、長期にわたって取り組む場合もあります。

もちろんトラブルを未然に防げればそれに越したことはありません。顧問弁護士はトラブルの芽が出る前の段階、あるいは目が出て危険性を予見できた場合にすぐに対処できるメリットがあります。

介護福祉事業は事業をストップさせることができません。人と生命や健康を預かる場ですので、大きな責任も伴います。当事務所は顧問弁護士として事業所をお支えしていければと考えております。

顧問弁護士をご検討の場合、20分の無料相談も実施しております。本コラム最下段の専用のボタンよりお申し込みください。また、顧問契約プランのご説明ページもございますので、ぜひ下記ボタンより詳細をご覧いただければ幸いです。

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