【ミニコラム】【カスハラ対応事例】 利用者家族の執拗な謝罪要求をシャットアウトするには

カテゴリ
【ミニコラム】おかげさま事件簿
(解決事例集)
公開日
2026.05.13
【カスハラ対応事例】 利用者家族の執拗な謝罪要求をシャットアウトするには

【カスハラ対応事例】利用者家族の執拗な謝罪要求をシャットアウトするには

介護現場において、利用者家族からの執拗な謝罪要求は、社会通念を逸脱しいわゆる「カスハラ」に相当する場合も多々あります。カスハラの対処と現場職員の保護は、26年10月以降明白な法的義務となりますが、現場職員のメンタルを守ることはこの人員不足の現代において最優先課題です。謝ることで済むのであれば話は簡単ですが、その場しのぎの謝罪をしてしまうことで相手を勢いづかせ、かえって事態を悪化させるリスクがあります。

本記事では、当事務所が実際に対応した顧問先様からの相談事例をもとに、カスハラ的な謝罪要求をシャットアウトし被害を回避するためのポイントをご紹介します。

利用者の家族による謝罪要求の嵐

当事務所の顧問先である居宅介護支援事業所の管理者様からの相談です。

ご利用者Aさんの支援をしていたケアマネに対して、Aさんの娘が執拗に謝罪要求をして困っているというお話でした。

事の次第は3年前に遡ります。Aさんへの支援が始まった際、KP(キーパーソン)であった娘さんは、自宅の改修工事についてケアマネへ相談しました。これに対しケアマネは「Aさんの状態を考慮した場合、その改修工事は難しい」と回答しましたが、娘はこの回答に不満を持った様子で

「本当によく調べて回答しているのか」

「どういう改修工事なら問題無いか提案くらいしてくれても良いだろう」

とケアマネに文句を言いました。

そのことがきっかけで娘さんはケアマネの業務に何かと不満を持つようになり、自分から事業所を変更すると宣言、その通りにされました。それから何も音沙汰は無かったのですが、最近になってその娘から突然電話がかかってきて、

「3年前のあのケアマネは、私に水道代減免の案内をしなかった」

「それによって損失が発生したから弁償して謝罪しろ」

等と要求してきたのです。

案内がなかった!謝罪と弁償しろ!

記録を見返すと、

「当時はAさんが入院中で区分変更申請をしていたため水道代減免の対象になるか分からないと娘に伝えた」と、支援経過記録にははっきり書かれていました。

この事実を娘さんに伝えましたが聞く耳を持たず、「そんなことは聞いていなかった」「ケアマネに謝罪させろ」とひたすら怒鳴り、ケアマネの人格を否定するような暴言を吐いたそうです。

翌日もその次の日も電話でひたすら怒鳴り、謝罪要求の嵐。

管理者は困り果ててしまいました。

ちゃんと説明したのに… 記録には書いているのに…

今回のように何度も謝罪要求をされた場合、つい根負けして「謝罪して終わりにしよう」と思ってしまうかもしれません。しかし、謝罪の仕方によっては非を認めてしまうことになってしまいます。

例えば「今回の件は申し訳ございませんでした」と謝罪すると、娘が訴えていた「当時、水道代減免の案内をしていなかった」という事実を認めてしまうことになりかねません。当然弁償の可能性も出てきますので、話が思いもよらぬ方向に進んでしまうリスクがあります。また、当時適切に対応したケアマネの仕事を否定することにもなりかねません。

筆者は、「転倒事故等の場合は原則として即座に道義的な謝罪をすることが誠意を示すことに繋がる」と説いておりますが、本件のような明らかに言いがかりとしか言いようのない場合は別です。無理に事実を曲げてまで相手に迎合する必要はありません。

安易な謝罪は逆に事態を悪化させかねないため、注意しましょう。

「また今日も電話攻撃が来ると思うと憂鬱で…何度言ってもご理解頂けないときはどうすればいいでしょうか」
と悩むご相談者に対し、当事務所の担当弁護士は

「これ以上のご要望には弊所では対応致しかね、
今後は顧問弁護士の方で対応させて頂きます」
等と娘さんにお伝えするようアドバイスしました。

カスハラまがいのクレームのたぐいは大抵の場合、「顧問弁護士」という言葉が事業所側から出た瞬間に「まずい」と悟るのか、冷静さを取り戻してくれるようです。

そして万一、それでも勢いが収まらなかった場合は、実際に顧問弁護士にその後の対応を振ってしまえばよいのです。

負担が大きいときは顧問弁護士に任せるのも一策

もし本当に相手の主張するような落ち度が事業所側にあるのであれば、その限度で非を認めて謝罪すべきですが、事実と異なるにも拘わらず相手が思い込みで言い募るような場合はまともに相手をする必要もありません。「ご理解頂けないようでしたらお話が平行線のままですので、顧問弁護士に窓口を交代したいと思うのですが…」とけん制しましょう。

なお、カスハラに対する謝罪の考え方については、当事務所のコラムで詳しく解説しておりますのでぜひご覧ください。(当事務所のコラムは、こちらから)

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この記事を書いた人
代表弁護士 外岡潤

弁護士外岡 潤そとおか じゅん

弁護士法人おかげさま 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

2003年東京大学法学部卒業後、2005年司法試験合格。大手渉外事務所勤務を経て2009年に法律事務所おかげさまを開設。開設当初より介護・福祉特化の「介護弁護士」として事業所の支援を実施。2022年に弁護士法人おかげさまを設立。

ホームヘルパー2級、視覚ガイドヘルパー、保育士、レクリエーション検定2級の資格を保有。

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