社会福祉法人悠遊 
理事 山田健介 様

社会福祉法人悠遊

今回は、顧問先である社会福祉法人悠遊(ゆうゆう)の山田様にお話を伺いました。

Q 悠遊様の事業内容や歴史について

早速ですが、悠遊様の事業内容や歴史を簡単に教えていただけますでしょうか?

はい。現在、都内2区1市で、認知症高齢者グループホームや小規模多機能、定期巡回、通所介護、ケアマネ事業所、包括も1件受託をしておりますが、全部で14の高齢者福祉事業を展開しています。
設立の経緯ですが、設立したのは1993年で、生活クラブ生協という生協があり、そこが母体となって法人を設立しています。当時は介護保険制度の制定前なので、生協が福祉事業を行うことはできない時代でした。しかしそんな当時でも、今後の少子高齢社会の中、住み慣れた地域で暮らし続けるためにはどんな機能が必要かをよく議論しており、生活クラブ生協の基本的な理念として、『必要な機能は自分たちで作り出す』というものがあるので、自分たちで仕組みを作ろうとプロジェクトを立ち上げ検討し、デイサービスセンターを作ることにしました。
法人格をどうするかも議論になりましたが、非営利の生協が作るのでやはり株式会社ではないだろうと、いろいろ探した結果、社会福祉法人が身の丈に一番合っているということで、当時の生活クラブ生協の組合員から1億円と土地建物の寄付をいただき、設立しました。
当時のデイサービスセンターは特別養護老人ホーム(以下、特養)に併設されるのがほとんどで、単独型でのデイサービスセンターは日本初ということで、全国いろいろなところから視察が来られたと伺っています。

日本初だったとは凄いですね。ちなみにそのデイサービスの名前は?

“デイサービスいずみ”です。

社会福祉法人なのに単独のデイですか?

そうですね。介護保険制度が始まって、訪問サービス及びケアマネの事業所を立ち上げ、そこから事業所を広げていきました。ですから、特養を持っていない社会福祉法人です。

第2種のみということですか?

そうですね。

Q 悠遊様の大事な想いとは

地域密着でやってこられて各ご家庭に関わるというのは、ご苦労や大変なこともあるかと思いますが、法人として大事にされている想いや、先ほどの『必要な機能は自分たちで作り出す』というフロンティアスピリットと言いますか、DIY精神というのがやはりあるのでしょうか?

はい。法人理念の1番目に『尊厳・自立支援』というものを掲げていますが、やはりご利用者の自己決定を尊重し、ご利用者ができることを奪わない、やりすぎない介護を大切にしていかなければいけないと思っています。
あとは皆さん食事をすごく楽しみにされており、生協が母体ですので食べ物については安全性も含め、ちゃんと美味しいものを召し上がっていただきたいと思っています。その部分はやはり凄く大切にしていますね。
外岡弁護士
外岡弁護士

デイサービスで出す食事にも拘りがありますか?

はい。基本的には生活クラブ生協の食材を使っているので、食事の単価は結構高くなってしまいますが、きちんと丁寧に手作りしています。よく湯煎などを取り組んでおられる事業所もあるかと思いますが、私達のところでは基本手作り。グループホームもご入居者の方々と一緒に職員が手作りをしています。

いいですね、野菜も新鮮なのでしょうね。食事は他所から比べると一目瞭然ですか?

はい。見た目は私達の1番の売りとして提供しています。

なるほど。そんな美味しいご飯が食べられるところへ私も通いたいです(笑)。

Q 悠遊様と外岡の出会い

私との出会いは、何がきっかけでしたでしょうか?

現在、法人本部で一緒に仕事をしているある職員が、かつて鹿児島の法人で勤務をしていたのですが、その頃に社会福祉協議会主催の研修会が開催され、外岡先生が講師で来られたという話を聞きました。さらに外岡先生と一緒にラーメン食べたという話もお聞きし、“弁護士と言えば外岡先生”というのがインプットされていました。
そして残念ながら実際にご利用者が転倒する介護事故が起きて対応に困っていたので、これはもう弁護士の方にお願いしなければとなり、すぐ外岡先生の名前が浮かんで直接ご連絡をさせていただいたという経緯になります。

ありがとうございます。私は杉並区民なのですが、鹿児島でご縁があり、地元でまたご縁が繋がったというのも不思議なことで、ありがたいです。

Q 弁護士のイメージについて

“弁護士”と言うとどのような印象、イメージがありましたか?

古いですが、既に亡くなられた和久峻三さんという小説家が書いた法務関連の小説をよく読んでいたので、検事や弁護士、裁判官などの法務関係の方々がどんな仕事をしているのかは、一定程度理解していたつもりでした。

ひとえに弁護士と言っても、本当に正義の味方という方もいれば、一方で「この商売は怪しいのでは?」と思えるような方も見受けられます。正直言えば、気軽に相談できるようなところではなく、敷居が高いと思っていました。

そう感じてしまうのはやはり、普段なかなか困らないというか、相続や交通事故に遭うなどの揉め事がない限り、関わらないのもあるんでしょうか?

ええ。あとは専門用語が難しいですよね。解釈も含めて、一般の人間にはなかなか理解できない部分があるので。

そうですよね。“悪意”とか言われても分からないですよね。

Q 数ある弁護士の中で外岡を選んだ理由

そのような印象のある弁護士の中で、最終的に私を選んでいただいた理由は何になりますでしょうか?

まず前情報として、外岡先生がこういう方だと一定程度知っていたことと、やはり“介護関連の専門家である”というところですかね。それが一番の決め手だったと思います。プラスこう言ってはなんですが、正直なところ月額の顧問料が思ったよりも凄く安かったというのもあります。

介護専門の弁護士は、今まであまり聞いたことはなかったでしょうか?

ありませんでした。生活の中でいろいろな揉め事があり、弁護士の先生もどういう方面に強いというか、それぞれの専門性があるとは聞いていたのですが、まさか介護関連専門の方がいるとは想像していなかったので、それはすごくありがたかったです。

ありがとうございます。顧問契約をしていただいて何年ぐらいでしょうか?

2020年の1月からなので、2年と3ヶ月になろうかという状況です。

Q 相談して良かったこと

ご相談をしていただく中で、『相談して良かった』ことは何かありますか?

まず外岡先生にお願いするきっかけとなった、転倒で入院されたご利用者のご家族への対応部分ですね。対応に窮するところがあったので、そこをお願いできたことです。この件については約半年ぐらいかかりましたが、現在はもう解決できたので良かったです。
あとはお恥ずかしい話ですが、法人内部でも職員同士の関係性がなかなか上手くいかないことがあるので、それらについていろんな相談をさせていただいたり、あとはやはり最近世間的にも多くなっている“カスタマーハラスメント”に関する対応について、先生のアドバイスによって対応を進めることがあるので、本当に心強いです。

ありがとうございます。

Q 顧問弁護士のメリット

私が顧問弁護士であることのメリットは、どういった点になりますか?

やはり社会福祉法人として事業運営全般についての相談ができることと、あとはどのような時間帯にご連絡を差し上げてもレスポンスが早いので、早急に対応しなければいけない際に、タイムラグがほとんど生じないのは本当にありがたいです。

私のスタイル、ポリシーとして、相手を論破するより対話でわかり合うことが大事としているのですが、その点の考え方については介護の世界ではどうですか?

最近先生が出された本(※『介護トラブル相談必携』)を読ませていただき、その中で “メディエーション” というキーワードがあり、様々な事例紹介とシミュレーションも含めた解説をされていました。
弁護士の立場としては白黒はっきり付けるのが仕事だと思っていたのですが、白黒はっきりつけると結論は出せますが、どうしても感情的なしこりが残ってしまいます。一番理想的なのは、お互いにどこまで納得度を高め、良い形で解決に結びつけるかだと思うので、先生はまずそういう形に向けてのアプローチを目指しており、和を大切にすることがそもそも日本人の根底にあるものだということも含めて、おっしゃることに凄く共感できます。
私達も今後いろんなことがあると思うのですが、それに対してきちんと相手の意見をしっかり聞き、その背景にある本質までちゃんと堀り下げて確認をし、適切な対応をしていくことを心がけなければいけないということを、先生の本から学べました。

大変過分なお言葉をいただき、ありがとうございます。本質を探るというのは、介護の現場で認知症の方や、コミュニケーションが取りづらい方と相対する中で、やはり大事なことでしょうか?

そうですね。

Q 今後外岡に期待すること

今後私に期待することや要望があれば、お聞かせください。

お忙しい中、先生は日舞やマジックをされるということなので、コロナの状況が収まればぜひ我々の施設へ来ていただき、その腕前を披露していただけると嬉しいです。
やはり突然弁護士の方が来ると皆「何かあったのか?」となると思いますが、その方がいろんなパフォーマンスをしたら弁護士という存在を凄く身近に感じますし、今までと違ったイメージで再認識するきっかけにもなると思います。

弁護士をより身近に感じていただいて、それで問題が減れば一番ですよね。

Q 外岡のPRポイント

最後に、他の施設や事業所様に向けて私のことをPRしていただけるとしたら、どういった点になりますか?

先ほど申し上げたことと重なりますが、やはりまずは気軽に相談ができることと、アドバイスが的確でありレスポンスが早いということですね。理事長も含め一緒に働いているメンバーは、いざという時に先生が付いてくれていることの安心感があります。この心強さについては、皆さんに凄くおすすめしたいところです。

ありがとうございます。やはり外部に相談できないと、何かあった時に不安になってしまうということでしょうか?

そうですね。はやり自己判断して後戻りできなくなるのが困るので、特にご利用者対応などについては、まず保健所の方へ確認をするのはもちろんですが、法的な裏付けなども含めて「どうなんだろう?」と迷った時にはまず先生、といつも思っています。

ありがとうございます。本当に光栄です。
本日はどうもありがとうございました。

ご協力いただきありがとうございました。

担当弁護士
代表弁護士 外岡潤

弁護士外岡 潤そとおか じゅん

弁護士法人おかげさま 代表弁護士(第二東京弁護士会所属)

2003年東京大学法学部卒業後、2005年司法試験合格。大手渉外事務所勤務を経て2009年に法律事務所おかげさまを開設。開設当初より介護・福祉特化の「介護弁護士」として事業所の支援を実施。2022年に弁護士法人おかげさまを設立。

ホームヘルパー2級、視覚ガイドヘルパー、保育士、レクリエーション検定2級の資格を保有。

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